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舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」

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2022年夏、TBS赤坂ACTシアターにて、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」が開幕しました。
それに伴い、デザインセンターとして、劇場ホワイエの改修および赤坂サカスエリア一帯におけるハリー・ポッターエリアデザインに携わっています。
ワーナーブラザーズ社,ATG社監修のもと、TBS主体でデザインを発案しています。

エリアプランニング

エリア全体として、舞台をさらに盛り上げ、お客さんの体験がより良いものであってほしいという思いから、動線を軸に連続的な体験ができる設計をしています。
また、既存の街並みの躯体にきちんと沿うようなデザインをすることで、他にはない、ここ赤坂だけの景色を作るということをテーマとして掲げました。
一方で、ハリー・ポッターを観たことのない方々も往来する場所への展開ということで、ファンの方々に喜んでもらいつつも、そういった方々でも知っているような劇中の要素で構成するというチューニングに苦労しました。

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Wizarding World Gate

ここは駅からくる人にとって、エリア全体,劇場への主な入口となるため、全体における“ゲート”という位置付けになっています。
階段中腹には“タイムターナー”という時間を移動できるアイテムのオブジェを配置しました。(舞台の中でもキーアイテムとなっています)「ここから始まるエリアでの楽しいひとときに時を転換させる」という意味を込めています。
また、この場所は劇中の“動く階段”をモチーフとしており、肖像画を壁に並べつつ、屋外部分にも更に階段が続くようなグラフィックを展開しています。
天井の星空には、箒,スニッチ,ドラゴンなど空にまつわる要素を星座のように描いていたり、壁際には魔法動物が所々にいるので、是非探してみてください。
加えて、改札を出たところから一気に世界観の中に入り込めるよう、劇中サントラから音源を選んで流すなど、演出面も考案しました。

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Harry Potter Cafe

店内の天井には大きなハリーの杖を吊り下げています。それに加えて100球以上の電球を配置していたりなど、店内を魔法が包み込む様子をテーマにデザインをしました。
また壁面の額縁の中には空の額縁がいくつかあり、その中をパトローナス(守護霊)が自由に行き来しているようなイメージのデザインとなっています。
全体をブリティッシュパブのようなイメージで仕上げているのですが、より本物感を演出すべく、外装,内装を含め、エイジング加工にはかなりこだわりました。

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Wizarding World Street

カフェ,ショップが軒を並べるこの通りは、階段に並んで、エリアに対するもう1つの入口となるため、手前に白いフクロウを配置し、フクロウが持つウェルカムメッセージには「夢の中だけは、完全に自分だけの世界だ」という劇中のダンブルドア校長の台詞を引用しています。この通りを入口にして、魔法の世界へ入り込んでほしいという思いを込めました。
また、内部へとお客さんを誘うように、4寮のバナーを連続的に吊り下げることでエリア全体の一体感を演出しています。

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Mahou Dokoro

こちらはWizarding Worldのグッズが購入できるショップです。赤いカフェの外装と対になるようにこちらは青を基調としました。
様々な要素のグッズが置かれるため、内装は普遍的なデザインとなっています。フォトスポットとして劇中の9 3/4番線カートもあるので、是非写真を撮りに来てください。

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TBS赤坂ACTシアター ホワイエ

舞台側の美術装置については、全世界共通のデザインを踏襲していますが、ホワイエについては、日本独自のデザインとなっています。
既存のACTシアターの躯体がかなり現代的なデザインであったため、無理にハリー・ポッターの時代感を切り取るのでなく、劇中の要素を自然な形でデザインに織り込むことに注力しました。
天井の星空を1つとっても、リアルを再現するのでなく、絵画として描いたような色味,タッチ感になるよう何度もサンプルを見比べながら今の形となりました。(実際に全て手描きで施工をしていただきました)
壁面のパトローナスのグラフィックや、入口から入ってすぐにある、公演ごとのキャスト名が印字された本が並ぶ本棚など見どころが沢山あるので、舞台を観に来られる際には、注目して見てください。

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