BROADCAST
テレビ局の技術と言うとカメラ,音声,照明のような『番組制作技術』を思い浮かべると思いますが、制作された番組を『放送する技術』もテレビ局には必要不可欠です。
テレビ局の最終段には放送する全ての素材(生放送番組、収録番組、CM、データ放送など)を集約しそれらをコンピューター制御による自動運行で番組編成の時間で組み立てて、東京スカイツリーやTBS系列局に送出しているTVマスターという所があります。
このTVマスターの「運用」、「管理」さらには「設計」、「開発」までを担っている部署がこの送出部です。
「運用」ではコンピュータ制御情報と放送されている内容を照らし合わせて確認する監視業務や、自動運行では対応できない対応、例えば突発的な事件・事故による報道特別番組の編成やプロ野球ナイターでの番組延長などの対応を行います。
また「管理」では、設備メーカーと協力し、TVマスターにある膨大な数の機器の保守を行うことで放送の安定性を保っています。
「設計」「開発」では、放送の規格・最新の技術動向を正確に把握した上で、ハイブリッドキャストや今後の4K・8K放送への対応など放送価値を高める仕組みの導入や、より効率的で安全性の高いTVマスターの設計・開発を行っています。
TBSの放送の安定を確保しつつ、常に新しいことに興味を持ち、さらなる付加価値を持たせる、それが送出部の仕事です。
24時間・365日、TBSにはニュース素材、番組素材、中継映像などが日本全国、また世界中から伝送されてきます。
それら伝送回線の構築、監視、障害への対応、また伝送された映像・音声の調整を行った上で、局内の各サブや収録室、TVマスターなどへ分配する業務を24時間休まず行っています。
また事故現場からのリポート、お天気中継、選挙特番、世界陸上、オリンピック、駅伝・ゴルフ等スポーツ中継、日本レコード大賞、オールスター感謝祭など、生中継の番組では伝送回線の品質は特に重要で、それを監視する回線部は大きな役割を担っています。
TBSでは都内ビルの屋上や関東圏の山頂にアンテナが設置された基地局を数箇所保有しており、緊急時には雪山に登ってアンテナ等の保守を行うこともあります。
このように “TBSの玄関”として毎日のOAを支えています。
送出(TVマスター)で作られた放送用の信号は東京スカイツリーまで伝送され、関東の各家庭まで電波として届けられます。またその電波が届かない地域のために、関東各地に約200局もの中継局が設置されています。これらをテレビの世界では”送信”と呼んでおり、この全送信所から24時間365日安定して放送を届けるため、放送機器の保守管理や、更新計画の策定等に努めております。
送信の世界では、普段はライバルである他民放各社やNHKとも基本的に一緒になって共同運営しており、社内・社外の人とも連携・協力しております。ひとつの操作ミスで関東の何千万世帯のテレビに直接影響を与えてしまう緊張感と戦いながらも、日々の地上デジタル放送を支えております。